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【読書観】歴史小説の読み方。僕が考える読むべき理由。

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「若いうちは年間100冊本を読みなさい」

僕が大学一年生のときに、当時受けていた授業で先生がおっしゃった言葉です。
当時、18歳の僕は「何をゆうてんねん」と軽く受け流していましたが、3年後、大学4年生になってからふと思い返して、100冊読んでみました。当時、ほとんど読書をする習慣がなかったところから、読めるようになるまでに実践したことは、下記にまとめています!

7個のアクションで社会人でも読書を習慣にする方法

それから、毎年いろいろな本を100冊読むようにしています。そのうちの約半分は歴史小説かそれに近いものです。その中で感じた、歴史小説を読む意義と、歴史小説の読み方をまとめたいと思います。

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愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

他人の失敗や経験を疑似体験する

歴史小説を読んだり、あるいは、広く歴史を勉強する意義というのは、これに尽きると思います。まったく同じシチュエーションではなかったとしても、似たような状況、条件に立ち向かった経験がある人は、現代、あるいは歴史上に存在することが多くあると思います。そういった、自分以外の人間の経験から、今自分が直面していることへの対処方法を考える、畢竟これが歴史を学ぶ意義であり、歴史小説を読む意義であると考えています。そういった、観点で言えば、必ずしも歴史小説ではなく、フィクションの小説からでも人の生き方として学べる部分はあると思います。

社会の実験場としての歴史

一方、社会全体として見れば、こちらの記事「歴史は壮大な社会の実験室である」でも言われている通り、歴史は社会の実験場と言えるでしょう。現代社会がどうなっていくのか、あるいは現代社会が抱えている問題にどのように対処すべきなのか。自然科学であれば、実験を繰り返し、知見を蓄積することもできますが、社会においてそれを行うことは、リスク及び倫理的に難しいことが多いでしょう。そういった、ときに歴史上の出来事は一つの実験結果、あるいはサンプルデータとも言えるでしょう。

実際に、そのような観点から書かれた本も出ています。こちらの『経済は世界史から学べ!』ではまさに「現代社会が抱える問題を過去の出来事から説明する」という観点で書かれています。筆者が予備校の講師なのもあり、世界史の知識が少なくても読みやすい本になっています。

あるいは、もう少し大きな視点では、『文明崩壊』もそのような観点から書かれています。

『銃・病原菌・鉄』の著者、ジャレド・ダイアモンド氏の著書になります。分量が多く、少しハードですが、非常に示唆に富んだ本です。

「歴史から学ぶ」と一言で言うのは簡単ですが、やはり行うは難し、です。ですので、最初はこうゆう「過去のことと現代の問題を紐づけて書いてある本」を読み、その力を養った上で、歴史小説などを読み、独自の視点で現代の問題との関連性を見出す、という読み方がよいと思います。

人生のメンターを見つける

次に、歴史小説の読み方ですが、僕は「人生のメンターを見つける」これに尽きると考えています。メンターとは、

メンターとは、仕事上(または人生)の指導者、助言者の意味。

と、コトバンクにて解説されています。

本、特に歴史小説を読むときは、その人の生き方や考え方に焦点を当てて、自分が目指したいような人を探します。そして、この人だ!と思う人を見つけたときには、その人に関連する小説をまとめて読んで、多面的な人物像を形成していきます。例えば、勝海舟はそうゆう惚れ方をしたので、結構読みました。

刺客、坂本龍馬に惚れられる男、政治家勝海舟に学ぶ。

仕事やサークル活動でも「この人かっこいい!」「この人みたいになりたい!」と思ってがんばったり工夫したりしますよね。その感覚と同じです。

メンターを見つける

歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、

「それは、大きな世界です。かつて存在した何億という人生がそこにつめこまれている世界なのです。」

これは司馬遼太郎さんが『二十一世紀を生きる君たちへ』という本でおっしゃっていることです。この本は小学校の国語の教科書に掲載されたものを「洪庵のたいまつ」とともに図書の形に再構成したものです。したがって、平易な文章で大事なことが語られています。本を読まない方、歴史小説に苦手意識を感じる方もぜひ手に取って読んでみてください。Amazonか、オフラインだと東大阪にある司馬遼太郎記念館で購入できます。

司馬遼太郎さんがおっしゃるように、歴史には何億という人生が詰まっているので、きっと自分が目指したいメンターもどこかには見つかるはずです!

そして、

成程えらい人間が居たな。二、三百年も前に、今、自分が抱いて居る意見と、同じ意見を抱いて居たな、これは感心な人物だ

これは勝海舟が『氷川清話』で語った言葉ですが、このような人物を、歴史上の何億という人生の中から見つけ出せたなら、それはそれは幸せなことだと思います。

ちなみに、ざっくり色々な方の人生を見てみたいときは(日本人がメインですが)、司馬遼太郎さんの『この国のかたち』シリーズがおススメです。いろいろな時代について司馬さんが考察しています。この本でざっくりと日本史と日本史上の人物をさらって、興味がある人物が出たら深堀するとよいと思います。

6巻もあるととても重たいように感じますが、各巻が独立していますので、興味があるところから読み進めることができます。

メンターを現代に蘇らせる

もし今の世に二宮尊徳というような人が、身を国民教育界においたとしたら、一体どういう生き方をされるでしょうか。

これは、大阪師範学校(現大阪教育大学)で教鞭を取られていた森信三先生の言葉で『修身教授録』に掲載されています。『修身教授録』については「全ての教育者に読んで欲しい、森信三先生の『修身教授録』」にまとめています。この本もとっても良い本でしたので、おすすめです。

森先生がおっしゃっているように、メンターを見つけたら「今、自分が直面している問題にメンターならどう対処するか?」あるいは、「今の自分と同じ環境にメンターが置かれたらどうするか?」を考えていくと、生活や仕事にエネルギーと具体的な解決策が出てくるでしょう。

メンターの鍛え方に学ぶ

しかし、一朝一夕でメンターになれるなんてそんな甘い話はないと思います。「メンターのようになりたいけどなれない」または、同じようにやってみても、失敗することもあるでしょう。そんなときは、

その偉人をして、そのような一生をたどらせた、真の内面的動力はいかなるものであったか、を突き止めるということでしょう。

これをやってみるとよいと思います。こちらも森先生の言葉ですが、メンターにも何か志を持つようになった経緯や、失敗の経験等があるはずです。今度は、そういった点に焦点を当てて、メンターの物語を読んでみると、見え方が変わってくるかもしれません。そして、メンターの経験から疑似体験を得ることも一つですし、メンターが実践したことで、まだ自分が実践していないものがあれば、やってみるとか、そういった次の行動につなげることができるはずです。

以上が、僕が考える歴史小説を読む意義と、歴史小説の読み方です。ご参考になれば幸いです!

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